全日本選手権のエキシビション後に引退を表明した織田信成(のぶなり)選手(手前)を、高橋大輔選手(左から2人目)らライバルたちが拍手で送り出した=2013年12月24日、埼玉県さいたま市中央区・さいたまスーパーアリーナ(大里直也撮影)【拡大】
そこには、絶望の中でも、仲間に対してエールを送る強さがあった。彼の言葉には、力があった。
人間として素晴らしい
この全日本で初優勝を果たし、女子の代表に決まった鈴木明子選手(邦和スポーツランド)と話す機会が以前あった。彼女は「仲間の失敗を願うようなことはしない。心から応援しているし、私も頑張ろうと思える。みんなもそうだと思う。だからこそ、今の日本は強いのだと思います」と口にしていた。とても、印象的な言葉だった。
同じ舞台を目指してきた仲間でも、勝負をしなければならないときは当然ある。
そして、選手同士は分かっている。そのことの苦しさも悲しさも…。でも、全てを分かるからこそ、自分が思うような結果が出ずに悔しい思いをしても、頑張ってきた仲間を応援し、祝福できるのだろう。
織田選手は今回、残念ながら五輪の舞台には立てなかった。そして、全日本翌日のエキシビションを最後に現役引退を発表した。