仮想通貨「ビットコイン」の世界最大級の取引所で、2月に経営破綻した「マウントゴックス」(東京)。マウントゴックス社のマルク・カルプレス社長(28)が破綻会見以降、沈黙を続けており、さまざまな臆測を呼んでいる。マウントゴックス社は、ハッカーに85万BTC(ビットコインの単位、会見時約480億円相当)と現金28億円を盗まれたと主張するが、それを覆す分析をIT専門家が示すなど、マウントゴックス社が故意や過失で消失させたとの見方も出始めている。
預かり金流用?
マウントゴックス社の異変が表面化したのは2月7日。マウントゴックス社はビットコインの売買を仲介する取引所機能以外に、顧客のビットコインを社内の口座で管理する銀行機能も提供していたが、この口座から顧客がビットコインを引き出せないようにしたのだ。
2月25日には全取引を停止。(2月)28日には負債65億円を抱えたとして、東京地裁に民事再生法の適用を申請した。カルプレス社長は記者会見で「システム上の不備を突かれ、顧客とマウント社の計85万BTCを盗まれ、現金28億円もなくなった」と主張。その後、3月20日に20万BTCが見つかったと修正した。