クイーン・エリザベス・オリンピックパークから西へわずか600メートル。後方にメーンスタジアムとオービットタワーを望むハックニー・ウィックの町並みは五輪の前後でほとんど変化が見られない=2014年3月3日、英国・首都ロンドン(渡守麻衣さん撮影)【拡大】
ほぼ白紙の状態から各種施設を造り上げ、当初予定の4倍以上のおよそ1兆5000億ルーブル(約4兆7000億円)という五輪史上最大の開催費をかけて行われたソチ冬季五輪。開催費の3分の1が横領などの汚職に消え、適正に使われなかったという指摘もある。また2016年の夏季五輪と今年6月のW杯を控えたブラジル・リオデジャネイロでは、2つのビッグイベントに関する強引な開発をめぐって暴動が起きる事態になっている。
国際的なスポーツイベントの持つ社会的影響は20年夏の五輪開催を控えた東京にとっても他人事ではない。東京と同様に大都市型五輪をうたった12年ロンドン五輪の開催跡地のイーストロンドンを歩いた。
「イーストエンド(東の果て)」とも呼ばれるロンドン夏季五輪メーン会場周辺の地域は長らく犯罪率や失業率が高く、開発の遅れたエリアとされてきた。
閉幕から1年8カ月がたつ現在も、クイーン・エリザベス・オリンピック・パーク西側のハックニー・ウィックの一画には工場や倉庫が立ち並び、そこかしこに描かれたストリートアートが目を引く。