「STAP(スタップ)細胞」の論文不正問題で理化学研究所は6月12日、外部有識者でつくる改革委員会の報告書を公表した。研究不正と認定された小保方晴子(おぼかた・はるこ)・研究ユニットリーダー(30)が所属する発生・再生科学総合研究センター(神戸市)の解体を提言し、抜本的な組織改編で再発防止を求めた。
改革委は研究センターについて「ずさんなデータ管理を許容する体制にあり、研究不正行為を抑止できない構造的な欠陥があった」と厳しく指摘し、早急に解体することを求めた。
新たな研究組織を立ち上げる場合はトップ層を交代し、体制を再構築すべきだと提言。竹市(たけいち)雅俊センター長(70)と、小保方氏の指導役だった笹井芳樹副センター長(52)に事実上の退任を求めた。
STAP問題の背景には「人工多能性幹細胞(iPS細胞)を凌駕(りょうが)する画期的な成果を獲得したいとの強い動機があった」と分析。小保方氏を通常の手順を省略して採用した上、笹井氏は生データを検証せず論文を拙速に作成したことが不正につながったとした。