最新ミニアルバム『See More Glass』を聴くと、彼らが新しい扉を開けたことにすぐに気づくだろう。たとえば「Mrs. Summer」の冒頭でのブレスを含んだ歌の表現力、「山賊と渡り鳥のうた」での歌メロに寄り添うギターやベースライン、サビの部分のドラム…。細部のコーラスのレイヤーも含め、丁寧に“歌”を聴かせることに徹しているのがわかる。
「2枚目のアルバム『PORTAL』から各自でプログラミングをし始め、メンバー全員にソングライティングを求めるようになっていって。そのため本来あるべき“歌”を作るという考えから遠ざかっていた部分があったので、今回は自分のソングライティング力を見直すためにも弾き語りから曲作りを始めました」(尾崎雄貴、以下同)
明るい曲にも切なさ
コンテストで優勝し、10代でデビュー。しかし北海道・稚内から上京したものの東京生活に慣れず、1年ほどで帰郷。札幌に自分たちでスタジオを作り、そこで共同生活をスタートさせた。前作『ALARMS』ではPOP ETCのクリストファー・チュウをプロデューサーに迎えていろいろ学んだというが、今作も彼を迎えたとはいえ、特にこだわりたい部分は別作業で進めた。