現地紙シドニー・モーニング・ヘラルド(SMH、電子版)によると、今回禁止されるのは全6州のうち最大都市シドニーがあるニューサウスウェールズやクイーンズランドなど5州とキャンベラの首都特別地域。日焼けマシンの有料サービスを行った事業者には、最大4万4000豪州ドル(約425万円)の罰金が科される。禁止されていないのは、高温多湿のノーザンテリトリーだけ。
豪州の上空は紫外線を吸収する大気圏のオゾン層が薄いため、他地域よりも紫外線が強く皮膚がんの発症リスクが高い。専門家が国民に外出時にはサングラスと帽子を、海で泳ぐときも長袖シャツを着用するよう強く推奨するほどだ。
「多くの友人の命奪った」
天然の紫外線に加え、日焼けマシンも問題視された。豪州では1990~2000年代に若者の間でブームになったが、その結果、発症リスクも高まったという。ニューサウスウェールズ州がん評議会の調査では、35歳までに日焼けマシンを使った人は、使わなかった人より発症率が59%も高くなった。州内では毎年、少なくとも10人が日焼けマシンで皮膚がんになり、死亡しているとしている。