男子ゴルフの4大メジャー大会の中でも、マスターズは独特の雰囲気を持つ。それは、大会が常にオーガスタ・ナショナルGC(米ジョージア州)という同じコースで行われるからだろう。
「球聖」ボビー・ジョーンズを創始者とし、世界の名手(マスター)だけが招待される憧れの舞台。コースにはマスターズが行われるこの時期に咲く花だけが植えられ、大会終了後に半年間だけ会員に開放され、残りの半年間は次のマスターズのための整備に費やされる。
日本の怪物、松山英樹(23)が通算11アンダーで5位と健闘した2015年のマスターズを制したのは、米テキサス州出身の21歳、ジョーダン・スピースだった。
タイガー・ウッズが持つ大会最少スコアに並ぶ通算18アンダーのパットを18番のカップに入れた瞬間、割れんばかりのパトロンの歓声と拍手が鳴り響く中、スピースは腰を深く折り、上体を沈めた。