政府関係者によると、総工費を1800億円程度に縮減することを目指す。
これを受け、菅義偉(すが・よしひで)官房長官(66)は17日の記者会見で「秋口には新しい整備計画をつくる。その中に総工費の上限が含まれる」と述べた。下村氏も17日、記者団に「コンペをやり直す。半年以内にデザインを決め、設計から50カ月強の20年春の完成を目指す」と述べた。19年9、10月に行われるラグビー・ワールドカップ(W杯)日本大会の会場として新国立競技場は使用できなくなる見通しだ。
日スタは施工に45カ月
一方、現行計画をデザインしたイラク出身の女性建築家、ザハ・ハディド氏(64)=英国在住=らへの損害賠償や違約金に関し、菅氏は会見で「適切に対応する必要がある」と述べた。下村氏の責任問題については否定した。
東京五輪の開幕は20年7月24日。その本番前には各競技会場でテスト大会が実施される。これまで、文科省は設計を1からやり直した場合61カ月(5年1カ月)かかるとして、計画の変更を拒んできた経緯がある。安倍首相は五輪までの完成は可能と断定したが、本当に間に合うのか、不透明な部分は多い。