1972年2月21日、米大統領として初めて訪中したリチャード・ニクソン大統領(左)と、毛沢東主席=中国・首都北京市(UPI=共同)【拡大】
【メディアと社会】
自民党若手議員の勉強会「文化芸術懇話会」でのメディアへの圧力発言、衆院平和安全法制特別委員会での野党議員による議場内へのプラカード持ち込み、安倍晋三政権の支持率急落、国際的には中国での言論の自由を求める弁護士の大量拘束など、本欄で取り上げてしかるべきトピックスが連続的に発生している。
17日には安倍首相が、世論の批判が高まっていた「新国立競技場」の建設計画を「白紙に戻し、ゼロベース見直す」と表明した。もちろん、それぞれの賛否と価値評価は個々人がなすべきことだが、これらが脈絡なく報道されるから、これからの日本社会のあり方を決める意味で一番重要な、国民の生命と財産を守るにはどうすればいいのかという、冷静かつ理知的な議論がおろそかになってしまっている。
国家が守るべきは国民
国家は(1)一定以上の規模の人間集団(2)その住む土地(3)それを治める代表組織としての政府があって成立する。そうした組織間の利害調整が外交である。国家が守るべきは国民であり、その社会教育を担うのがメディアの責任となる。