イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」に対して大規模なサイバー攻撃を宣言する国際ハッカー集団「アノニマス」。写真は投稿されたビデオから=2015年11月16日(ロイター)【拡大】
パリで起きた同時多発テロを受け、国際的なハッカー集団「アノニマス」が17日までに、今回のテロへの犯行声明を出したイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」に対し、大規模なサイバー攻撃を仕掛けると予告する動画をネット上に公開した。これに対してイスラム国傘下の組織は好戦的な反応を示しているという。いわば反社会勢力同士の戦いだが、交流サイト(SNS)などサイバー網を駆使して存在感を高めるイスラム国にとっては大きな脅威になりそうだ。
「パリ作戦」
米CBSニュースや英BBC放送(いずれも電子版)などによると、14日に「アノニマス」を名乗る人物が動画投稿サイト、ユーチューブに、約2分30秒の動画を公開した。
動画では、権力に立ち向かった英国の革命家でアノニマスの象徴ガイ・フォークス(1570~1606年)の仮面をかぶった人物がフランス語で「世界中のあちこちにいるアノニマスがお前たちを捕まえるだろう。必ず見つけ出し、放しはしない」と明言。
「お前たちに過去最大の作戦を仕掛ける。大規模なサイバー攻撃だ。宣戦は布告された。覚悟しろ」と脅し、「フランス人の強さはいかなる残虐行為にも屈しないだろう」と強調した。