「マシュマロは圧力がないとどうなるでしょうか」。学童保育所「ポピンズアフタースクール」で名大の平原聖文教授(宇宙空間物理学)が持ち込んだ実験装置で真空状態をつくり出すと、集まった子供たちはマシュマロがみるみる膨張する様子に驚きの声を上げた。
この日は親が研究内容などを教える恒例の「保護者プログラム」があり、平原さんが担当。0歳から通っている平原さんの長男(8)を含め、10人の小学生が参加した。
ポピンズはこうした大学ならではの取り組みのほか、下校時に子供をタクシーで迎えに行く制度もあり、多忙な教職員を支える。夫婦で大学に勤める平原さんも「ここなら安心して預けられる」と話す。
名大で健康・スポーツ科学などを教えている田中憲子博士は4月、都内で暮らす夫と離れ、企業から転職した。以前は小学2年の長男(7)と長女(5)の保育所への送り迎えに時間も体力も要したが、今は職場から保育所が見え、子供たちの歌声も聞こえるほど身近になった。「仕事で遅くなっても大丈夫。研究に専念できて、体力的にもずっと楽です」と充実している様子だ。