W杯ロシア大会のアジア2次予選で、香港と0-0で引き分け、ガックリと肩を落とす中国代表の選手たち(左側)。外国出身者で主力を固めた香港に苦戦したことも、中国代表の外国出身者解禁論の伏線となった=2015年11月17日、香港(ロイター)【拡大】
“国家プロジェクト”として男子サッカーの強化に取り組みながら、代表の戦績が低迷し続けている中国で、新たな方法の検討が始まった。有望な外国人選手を中国に帰化させ、外人部隊の導入で代表のレベル底上げを図ろうというものだ。
ただ、クラブチームでは経済力に物を言わせて海外のビッグネーム選手を盛んに獲得することが日常化している中国だが、これまで代表では純血主義を貫いてきた。この構想は物議を醸し、国内のサッカーファンの間で論議の的になっている。
発端は協会副会長の発言
今回の論議の発端は、中国サッカー協会(CFA)の張剣副会長の発言だ。米紙ウォールストリート・ジャーナルによると、張氏は23日、「外国人のサッカー選手に市民権を与えることを検討している」と語った。
CFAの会長(主席)は共産党幹部の名誉職のため、副会長とはいえ、張氏は中国サッカー界の実質的な責任者であることから、発言は重く受け取られた。また、「市民権」とはこの場合、「中国籍」と同義と解釈された。