フィギュアスケートの全日本選手権の表彰式に臨む(左から)2位の樋口新葉(わかば)、優勝の宮原知子(さとこ)、3位の浅田真央(まお)の3選手=2015年12月27日、北海道札幌市南区の真駒内セキスイハイムアイスアリーナ(高橋茂夫撮影)【拡大】
フィギュアスケートの2015~16年シーズンは、2月16日に台湾の台北で開幕する四大陸選手権から後半戦に突入します。前半戦を締めくくった年末の全日本選手権では、女子で10代の選手が続々と出てきてハイレベルな戦いが展開されました。18年平昌五輪に向けて、選手層に厚みが出たことはとても楽しみです。
まずは、連覇を果たした宮原知子(さとこ)選手(大阪・関大高)。練習からほとんどミスをすることなく、本番へつなげたほぼ完璧な演技は圧巻でした。着実に成長を続ける17歳の演技は、見ていて「強かった」という感想すら抱きました。
見ていて、自信が出てきているのがわかったのです。課題とされた表現力も表情豊かになり、試合を重ねるたびに洗練され、日々成長しています。
私の現役時代、米国にミシェル・クワン選手がいました。フィギュアスケートのファンならもちろん、ご存じの実力者で世界選手権で5度の優勝を果たし、五輪でも銀と銅の2つのメダルを獲得しました。クワンさんは、試合でミスがとても少なくコンスタントに結果を出す素晴らしい安定感がありました。宮原選手もさらに上のレベルで演技が安定すれば、クワンさんのような強さを身につけることができると感じました。前回2位だった世界選手権では、ライバルとなる若いロシア勢との戦いが楽しみです。