【必読!中国ビジネス】第45回「外国人駐在員の社会保険加入問題」(下) (1/4ページ)

2012.4.2 05:00

 ■二重納付防ぐ二国間保障協定

 前回に説明したとおり、日本人駐在員の給与を月額50万円と想定すると、中国での社会保険料納入によって、上海市で年間70万1280円、大連市では205万8000円が企業側のコスト増となってのしかかります。このコスト増を防ぐために、日本と中国の間で二国間社会保障協定の協議が始まりました。

 ◆12カ国とは発効済み

 日本企業の従業員が海外に赴任した場合、通常は赴任国の公的年金制度への加入が求められます。しかし、日本で将来の年金受給が不利にならないよう、海外での赴任期間中でも日本の公的年金に加入し続けるのが一般的です。すると、企業は日本と赴任国の保険料を二重に負担することになります。これを解決するために、二国間で締結されるのが社会保障協定です。

 日本と中国との間では、社会保障協定が締結されていませんが、中国の社会保険法公布とともに二国間協議に入りました。

 中国と社会保障協定を締結して発効済みとなっている国はドイツや韓国など12カ国で、署名済みだが発効されていない国が3カ国あります。

 中国と社会保障協定を締結した場合、二重負担はどの程度まで回避されるのでしょうか。ドイツでは養老保険と失業保険の加入が中国で免除され、韓国の場合は養老保険のみ加入しなくてもよくなっています。

 ただし、ドイツと韓国の協定締結は社会保険法制定前に発効されているため、制定後にどのような動きになるのか予断を許さない状況です。

 日本からの強い要請によって、11年10月13~14日、日本側から外務省および厚生労働省、中国側からは人事社会保障省と外務省および商務省から関係者が出席し、1回目の協定締結交渉が北京で行われました。今後、2カ月に1度のペースで協議を行い、早期締結に向けて取り組んでいくことで合意しています。