金融庁は24日、金融市場の活性化策を話し合う金融審議会を開き、新規・成長企業への資金供給のあり方についてまとめた。成長分野への投資マネーの流入を促し、現在4.5%にとどまる開業率を、2020年に米国並みの10%程度に引き上げたい考え。
非上場の新興企業がインターネットを通じて資金を集める「クラウドファンディング」では、株式の発行総額1億円未満、1人当たりの投資額の上限を50万円までとする。
株式の勧誘については、最低資本金を大手証券会社などの現行の5000万円から1000万円に、ファンド出資の仲介業者は1000万円から500万円に引き下げる。
要件緩和で幅広い投資を呼び込むことで、世界に通用する技術やアイデアを持つ新興企業の事業化を支援する。
新規上場の推進では、上場時に開示が必要な財務諸表を過去5年分から2年分に軽減するほか、上場後3年間に限り、内部統制報告書に対する公認会計士監査義務を免除する。また、地方の中堅企業の株式を取引できる新たな非上場株式の取引制度も整備する。
機関投資家に対し、顧客の中長期的な投資リターン拡大を図るための原則「日本版スチュワードシップ・コード」の導入も求める。投資運用会社や年金基金、保険会社が、運用の基本方針や議決権行使の方針など計7つの原則を定め、金融庁が公表する。
法的拘束力はないが、機関投資家が企業と対話を深め、企業価値の向上や企業のガバナンス強化につなげる狙い。