フィリピンは外国企業からの投資が加速しそうだ。英経済誌エコノミストの会員向け情報サービス、エコノミスト・コーポレート・ネットワークが調査して発表した「アジア・ビジネス・アウトルック」2014年版で、アジア主要14カ国・地域のうちフィリピンが最も有望な投資先とされた。同国は13年の実質国内総生産(GDP)成長率が7.2%と高成長を追い風に外国企業からの投資意欲も上向いているもようだ。現地紙インクワイアラーなどが報じた。
同調査では、回答者の49%がフィリピンの投資環境が改善されたとしている。
対象国・地域の中で投資環境改善1位は、回答者の77%が支持したミャンマーだった。しかし、同調査に関わった米不動産コンサルティング会社ジョーンズラングラサール(JLL)は、投資ブームに沸くミャンマーは特例であり、実質的には2位のフィリピンがトップとみている。
JLLはフィリピンの不動産への投資が特に加速すると予測する。また、同国は外国企業などから業務の一部を請け負うBPO産業が高成長を牽引(けんいん)しており、今後も同産業の拡大が見込まれる。これに伴い、首都マニラのオフィス需要が高まることから、今年、マニラのオフィスビルの価格は10~20%上昇するだろうとJLLは指摘する。
この調査はアジアに進出する製薬、金融、小売りなどの欧米を中心とする大企業の幹部334人を対象に行われた。回答者が所属する企業のうち7割は年間の事業収入が10億ドル(約1024億円)を超えている。(シンガポール支局)