山の斜面に並ぶ風力発電の風車=兵庫県南あわじ市(吉沢良太撮影)【拡大】
ただ、あまりに太陽光に偏重しているため、政府は是正に着手。4月からは、太陽光の買い取り価格を2年連続で引き下げる一方、洋上風力に新たな価格枠を設け、再生エネの柱に育てようとしている。政府は海に浮かぶ「浮体式」に期待しており、福島県楢葉町の沖合など全国4カ所で実証実験を始めている。
再生エネは経済活性化策としても期待が大きい。例えば、洋上風力は風車だけでも部品が2万点あり、産業の裾野が広い。福島県の佐藤雄平知事は「(福島の中小企業が)さまざまな部品でお手伝いできる」と話すなど地域の視線は熱い。
ただ、再生エネを本格的に活用していくには課題があるのも事実だ。
太陽光は原発1基分の発電量を確保するには、山手線の内側と同程度の67平方キロメートルにパネルを敷き詰める必要があるとされる。東京都すべての戸建て住宅(175万戸)にソーラー設備を取り付けるのにも等しく、「国土の狭い日本には不向き」ともいわれる。
建設費用もかさむ。経産省によると、175万戸の住宅への発電設備の取り付けには最大3兆3000億円が必要で、原発1基の建設費4000億円を大きく上回る。
陸上風力でも原発1基分の発電量を確保するには2100基の風力施設が必要で、建設費用は最大1兆2000億円かかる。
1キロワット時当たりの発電コストも原発を上回る。モデルプラントに基づく23年の試算では原発が8.9円とされるのに対し、陸上風力が9.9~17.3円、大規模太陽光は30.1~45.8円だ。再生エネの導入量を増やすには、電力会社からの電気の買い取り価格を高くせざるを得ず、最終的には賦課金として電気料金に上乗せされ、国民負担も膨らむことになる。
経産省は今月25日、一般的な家庭に対する26年度の賦課金を1カ月あたり225円にすると決定。25年度の120円に比べて、負担が8割以上増える。負担増は2年連続だ。