ベトナムで即席麺の売り上げが急拡大している。世界21カ国・地域の即席麺メーカーが加盟する世界ラーメン協会(本部・大阪府池田市)が3月に発表した調査報告によると、ベトナムの即席麺年間消費量は、2013年で54億食に達した。08年の40億食から大幅に増加し、中国、インドネシア、インドに次ぐ世界4位となっている。現地紙ベトナム・インベストメント・レビューなどが報じた。
同報告によると、ベトナムでは経済成長による所得増や生活様式の変化にともない、調理が簡単な即席麺の需要が都市部と農村部ともに高まっている。年間消費量は08年から12年にかけて平均24%で増加し、中国の3%、日本の5%に比べ、急激に需要が伸びている。国民1人当たりの年間消費量をみると、ベトナムは56.2食で、韓国などに次いで世界3位だ。
拡大する同国即席麺市場に商機を見いだした各メーカーの動きも加速している。日清食品ホールディングスは昨年、同国で即席麺の製造を開始した。
ベトナム商工省によると、同国では現在、国内外の約50社が即席麺を製造している。メーカー別シェアは、1993年にベトナムに進出したエースコックの現地法人ビナエースコックが50%、地場アジアフーズが20%、地場マサンが10%で、今後、国内外のメーカーが激しいシェア争いを繰り広げそうだ。(シンガポール支局)