安倍晋三首相が「規制改革の突破口」と位置付ける「国家戦略特区」が決まった。3月末の国家戦略特区諮問会議(議長・安倍首相)で全国6カ所が選ばれた。近く閣議決定され、5月にも具体的な事業計画を決める「地域会議」が設置される。指定地は「東京圏」「関西圏」「新潟市」「兵庫県養父市」「福岡市」「沖縄県」の6カ所。強い抵抗を押し切る形で「医療」「教育」「農業」「雇用」のいわゆる「岩盤規制」を俎上(そじょう)に載せた。アベノミクスの改革の大きな一歩と言ってよい。
関西圏や東京圏などで今後具体的に検討される「国際先端医療拠点」では、これまで厳しく規制されてきた入院用ベッド数(病床数)が別枠で認められるほか、大学に医学部の新設なども許される方向だ。また、福岡市ではベンチャー企業を誘致するために従来の雇用ルールの見直しに踏み込む可能性もある。
さっそく日本医師会や自民党の厚生労働族議員などが激しい批判を展開している。自民党内では、特区については、日本経済再生本部や政務調査会内閣部会などで主に議論してきた。このため、厚労部会の議員の間では不満が渦巻いている。