核燃料サイクルの中核施設となる日本原燃の六ケ所再処理工場=青森県(同社提供)【拡大】
再処理工場の完成は、原発の再稼働にも欠かせない。日本原燃や全国の原発の貯蔵プールで保管できる使用済み核燃料の量は限られ、再処理工場が稼働しないままでは原発が再稼働しても数年後には再び運転停止に追い込まれる恐れがあるからだ。再処理工場が稼働すれば、年間800トンの使用済み核燃料を再処理し、約8トンのプルトニウムを抽出できるようになる。
使用済み核燃料については、国の原子力委員会で、再処理よりもすべてを地中に埋めて捨てる「全量直接処分」の方がコストが安く済むとの試算が示されている。だが、新興国を中心に原発の新設計画が進むなかで、ウラン資源を有効に活用できる再処理は必要な技術だ。
再処理には直接処分に比べて廃棄物の量を減らす減容化や有害度低減などのメリットもある。例えば、直接処分に比べて高レベル放射性廃棄物を数分の1に減容できる。再処理を推進する意義は小さくない。
ただ、操業開始にはなお課題がある。昨年12月に核燃料関連施設の新規制基準が施行され、爆発や火災など過酷事故への備えが原発と同様に義務づけられた。日本原燃は今年1月、再処理工場など4施設の安全審査を原子力規制委員会に申請。約300億円を投じ、移動式の消防ポンプなどの配備を進めている。
一方、下北半島の太平洋沖に延びる「大陸棚外縁断層」も操業開始に影響を与える可能性がある。日本原燃は独自調査を基に「活断層ではない」としているが、規制委は付近の地下構造の調査を進める。活断層と判断されれば追加補強工事などを迫られ、審査が長期化する恐れもある。
政府は先に閣議決定したエネルギー基本計画で、原発を「重要なベースロード電源」と位置づけた。電力業界は「原発を動かす上で、核燃料サイクルの実現は一体。再処理工場の早期操業も含め、国策として取り組んでほしい」(大手電力幹部)と期待している。
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