核燃料サイクルの中核施設となる日本原燃の六ケ所再処理工場=青森県(同社提供)【拡大】
■原子力協定の改定にも影響
プルトニウムの利用が進まず、核燃料サイクルが順調に進んでいないことは、2018(平成30)年に満期を迎える日米原子力協定の改定にも影響を与えることが懸念されている。日本は非核保有国の中で唯一、使用済み核燃料の再処理が認められている。だが、その“権利”を保障した協定が見直されるような事態になれば、原子力技術における日本の優位性が揺らぎかねない。
「今のままで、米国が簡単にOKと言うかは分からない」。国際エネルギー機関(IEA)前事務局長の田中伸男氏は、停滞する核燃料サイクルが日米原子力協定の改定に与える影響を心配する。
日本は1988(昭和63)年に発効した日米原子力協定で、再処理を包括的に認められた。核不拡散の強化を打ち出していた米国との厳しい交渉の末に得た権利だ。再処理は、韓国も“悲願”としてきたが、朝鮮半島で核開発競争が生じかねないと米国側が難色を示してきた歴史がある。今年3月に2年間延長された米韓原子力協定でも、再処理やウラン濃縮は認められなかった。
ただ、日本は約44トンのプルトニウムを保有しており、これが協定改定の障害になるとの指摘は根強い。今年3月にオランダ・ハーグで開かれた「第3回核安全保障サミット」では、核テロ阻止に向けてプルトニウムなど核物質の保有量を最少化することなどを盛り込んだ「ハーグ・コミュニケ」が採択されており、日本に対する懸念が高まるとの見方もある。
田中氏は「エネルギー政策においては、将来に向けて多くの選択肢を持つことが重要だ。日本は再処理技術を持ち続けるためにも、米国を納得させられるような体制を整える必要がある」と指摘している。
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