マレーシアのナショナルフラッグキャリア(国を代表する航空会社)、国営マレーシア航空の経営が悪化している。同社によると、今年1~3月期の最終赤字は4億4340万リンギット(約141億円)となり、前期の赤字額2億7900万リンギットから約60%拡大した。3月に発生した370便の墜落事故後の客数急減などが要因だ。同社の赤字は5期連続となる。現地紙ニュー・ストレーツ・タイムズなどが報じた。
同期の売上高は36億リンギットで前期比4%増を維持したものの、客数増を見込んで輸送能力を2割程度増強していたため、1座席当たりの売り上げが0.225リンギットで前期比9%減となった。また、燃料費は1バレル当たり128ドル(約1万3000円)と前年平均の同134ドルを下回ったものの、使用量が11%増加したために効果は限定的だった。
客数の減少が最も深刻なのは中国人利用客だ。墜落した370便の乗客239人の大半が中国人だったことから、事故発生以降に同国から予約のキャンセルが相次ぎ、3月は中国での売り上げが前年同月比60%減という。