総務省は8日、インターネット接続業者(プロバイダー)などが保有する利用者の通信履歴(ログ)をめぐり、保存のあり方を議論する有識者会議を開いた。急増するサイバー犯罪を捜査する手がかりとしてログ保存の必要性が高まる中、現在は各事業者の判断に委ねられている保存期間などのあり方を再検討する。
いつ、誰がネットを利用したかを記録したログは、憲法が保障する「通信の秘密」に当たる。総務省は情報漏えいのリスクを避けるため、ログ保存を必要最小限にとどめるよう事業者に求めていた。一方、警察庁はログを長期保存する必要性を訴えており、有識者会議では「情報通信技術の利用と個人情報保護のバランスをどうとるか」(主査の新美育文・明治大教授)が議論の焦点となる。
会議では、3月ごろまで法律上の問題点などを議論するほか、プロバイダーから実務上の課題などを聞き取り、電気通信事業法に基づくガイドラインの改正に反映させる。