タイは経済特別区(SEZ)の設置を急いでいる。同国政府によると、設置を計画しているSEZは6カ所で、いずれも近隣国との国境地域に位置する。インフラ整備のために必要となる初期投資額は110億バーツ(約400億円)となる見通しで、プラユット首相は年内の稼働開始に意欲を示している。現地紙バンコク・ポストなどが報じた。
計画区域は、マレーシア国境の南部ソンクラー、ラオス国境の東北部ムクダハンとノンカイ、カンボジア国境の中部サケオとトラート、ミャンマー国境の北西部タークの6カ所。敷地の総面積は28億8000万平方メートルともされ、用地の取得が今後の課題になるとみられている。
政府は今年、中国との間で鉄道建設事業に合意するなど輸送網の整備も急いでおり、SEZ設置を同時進行させることで東南アジア地域の交易、投資、輸送の拠点を目指す。
さらに、昨年末には投資制度も改正。従来の地域別の優遇措置を廃止し、SEZに進出する特定産業の企業に対して最長8年間の法人税免除や、施設建設に向けた50億バーツの低利融資など新たな優遇措置を設定した。
一方、SEZ設置を急ぐ政府に対して、冷静な判断を求める声も上がっている。東南アジア諸国連合(ASEAN)が今年末に経済共同体(AEC)の発足を予定していることもあり、専門家は実質的に無関税で物品などの移動が可能な市場におけるSEZ設置について、費用対効果の検証が不十分だとの見解を示し、政府に調査の実施を求めた。