環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉が大詰めを迎える。交渉参加12カ国は、23日から米ハワイで首席交渉官会合を開き、28日から閣僚会合を開催する方向で調整している。9日からは東京都内で日米の事務レベル協議が再開する。TPPの協定文31章のうち「知的財産」など4章が最終的に閣僚の政治判断に委ねられる見通しで、大筋合意に向けぎりぎりの攻防が予想される。(本田誠)
「これを最終的な合意に至る閣僚会議にしたいという思いは、すべての国が共通している」
甘利明TPP担当相は7日の記者会見で、12カ国の閣僚会合について、28日から米ハワイでの開催を軸に調整していることを明らかにした上で、交渉全体の合意に意欲を示した。
12カ国は、23日からの首席交渉官会合で残された課題を絞り込み、閣僚会合で政治判断による決着を図りたい考えだ。閣僚会合の期間は29日までの2日間とする案が浮上しているが、「交渉が長引いて8月上旬にずれ込む可能性もある」(交渉筋)という。
交渉を妥結させるには、2国間で進めている関税協議も終わらせる必要がある。9日からの日米事務レベル協議に関して、甘利氏は「農産品の重要5分野や自動車関連で未解決部分があるので、最終的な詰めをしたい」と述べた。日本のコメの無関税輸入枠の扱いなどが焦点になる。