親族の介護に「ロボットを利用したい」とかんがえる人【拡大】
会話など人間とのコミュニケーションが可能なロボットの活用をめぐり、「介護目的で利用したい」と考える人が全年齢層で過半数に達し、高齢になるほど利用意向が強まることが、総務省が28日発表した2015年版「情報通信白書」で明らかになった。一方で「子育て支援に利用したい」と考える人は3割前後と低く、普及が本格化してきたロボットへの期待の濃淡が浮き彫りになった。
調査は2000人を対象にインターネットで実施。親族を介護する側としてロボットを「利用したい」「検討してもよい」と考える人は50代で67.0%、60歳以上では68.3%と高く、自分が介護される想定では68.3%、69.5%に上った。いずれも、自分以外の高齢者と暮らしている人ほど利用意向が強かった。
日本人の平均寿命は、男性が80.2歳、女性86.6歳に達する一方、日常生活を問題なく送れる「健康寿命」はそれぞれ71.2歳、74.2歳(いずれも厚生労働省調査)と10年前後短い。ソフトバンクグループが6月に発売したヒト型ロボット「ペッパー」も「会話による認知症予防に役立てたいという高齢者施設の引き合いが強い」(広報)という。体や認知能力の衰えを実感する世代になるほど、ロボットへの期待も高いようだ。