TPP閣僚会合の初日の全体会合終了後、記者団の質問に答える甘利明TPP担当相=30日、米ジョージア州アトランタ(小雲規生撮影)【拡大】
【アトランタ=西村利也】日米など12カ国が参加する環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉の閣僚会合が30日午後(日本時間10月1日未明)、米アトランタで始まった。会合は2日間の日程で、全体会合と並行して2国間の協議も断続的に行う。知的財産の医薬品のデータ保護期間や乳製品などの難航分野で政治決着を図り、交渉の大筋合意を目指す。
初日の全体会合は1時間ほどで終了し、医薬品のデータ保護期間や乳製品の関税の取り扱いなどの難航分野で、関係する各国と2国間協議を重ね、大筋合意を目指す方針を確認した。全体会合を挟み、各国は主に事務レベルの協議に時間を費やした。
甘利明TPP担当相は協議後、記者団に「11月にも閣僚会合の機会があるという観測が流れているが、そういうものが出ると、今回の会合を最終会合にするという意思が薄れてしまう」と指摘。「11月までに大きな政治日程を抱えている国がある。今回で最後にするという思いでないとまとまらない」と述べ、今会合で大筋合意を目指す姿勢を改めて強調した。
一方、全体会合と並行して開催する予定の閣僚同士の2国間協議について甘利氏は、「事務折衝で合意に至るであろうというところまで詰めた後に開きたい」との認識を示した。
現時点で日本が参加する2国間や多国間の協議は設定されていないようだ。ただ、全体会合の議場で米国やカナダ、メキシコなどの閣僚とそれぞれ短時間会談し、自動車の原産地規則など残った課題の現状や事務折衝を続けていくことなどを確認したとみられる。日本は、期間中に米国やメキシコなどとの2国間協議を開催し、残った分野の解決を図りたい考えだ。