産業競争力会議であいさつする安倍晋三首相(右)=15日午後、首相官邸【拡大】
政府は15日、内閣改造後初となる産業競争力会議を首相官邸で開き、アベノミクスの「新三本の矢」で進める成長戦略について議論を始めた。会議では今後、企業の生産性を飛躍的に高める「生産性革命」に必要な施策などを検討し、来年6月にもまとめる新たな成長戦略に盛り込む。実効性のある具体策を打ち出せるかが課題となる。
「成長戦略は新たなステージに入る。鍵は生産性革命」。会議に臨んだ安倍晋三首相は、こう話した。安倍首相が「第1の矢」として掲げるのは、2014年度時点で約490兆円の名目国内総生産(GDP)を600兆円へ拡大すること。毎年、名目で3%、実質で2%の高成長が必要になる。
政府が求めるのは、中国経済の減速などで低迷する企業の設備投資の拡大だ。
この日の競争力会議では、単なる増産投資でなく、生産性を上げ、ロボット技術などを組み合わせた「第4次産業革命」に対応するためなどの環境整備を進めるとした。
ただ、中長期的な人口減で働き手不足は変わらず、規制改革による労働環境整備を求める声は多い。第一生命経済研究所の永浜利広主席エコノミストは「解雇規制の緩和による人材の流動化や外国人労働者の活用を進めるべきだ」と指摘する。