中国減速、安倍政権に逆風 財政出動か追加緩和か…国内企業萎縮で模索 (3/4ページ)

2015.10.20 06:12

 麻生太郎財務相は否定しているが、政府内で景気刺激のための補正予算編成が視野に入ったのは8月だ。中国が3日連続で人民元を切り下げ、世界同時株安を招いた時期と重なる。財務省幹部は頻繁に首相官邸を訪れ、チャイナショックの説明を繰り返した。

 9月半ばには、同省をはじめ経済官庁の幹部が東京都内の和食店にひそかに集まり、現状分析と今後の展望を協議した。「下手をすれば、リーマン・ショック級の衝撃がくる」などの意見が飛び出し、「効果的な対抗策を検討すべきだ」との認識で一致した。

 9月末、安倍首相は旧知の政界関係者からの電話に熱心に耳を傾けていた。「日銀は相変わらず動きが遅い。このまま何も手を打たなければ、恐らく株価は1万6000円を割り込むことになるだろう」。その言葉通り、日経平均株価の終値は同月29日、中国経済への不安から前日比714円安の1万6930円となり、約8カ月半ぶりに1万7000円を下回った。

首相官邸には、日銀による追加金融緩和を期待する声は多い

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