【ソウル=藤本欣也】韓国の韓民求(ハン・ミング)国防相が米軍の最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル」(THAAD)の韓国配備について、「軍事的に検討する必要がある」と指摘した発言が波紋を広げている。北朝鮮に対する強力な国連安全保障理事会の制裁決議の採択に向け、ケリー米国務長官が27日に訪中し王毅外相らと会談するのに合わせ、強力な決議に慎重姿勢を崩さない中国を牽制(けんせい)する狙いがあるとの見方が一般的だ。
韓国防相は25日、韓国メディアに対し、「軍事的レベルで言えば、私たちの能力には限界があるため(THAADの配備について)軍事的に十分に検討する必要がある」と語った。
韓国紙、中央日報は26日、「THAADは国防相が独断で話をすることができる問題ではない」(大統領府関係者)として、政府レベルで調整した上での発言と伝えた。