安倍晋三首相は1日夕、通常国会閉幕に合わせて首相官邸で記者会見し、来年4月に予定していた消費税率10%への引き上げを、2年半後の平成31年10月までの再延期を正式表明し、参院選で信を問う。
また、景気対策を盛り込んだ平成28年度第2次補正予算案の編成作業に本格着手する。補正予算案の規模は5兆~10兆円程度になるとみられ、参院選後の臨時国会に提出し、成立を目指す。
参院選は「6月22日公示-7月10日投開票」の日程で最終調整している。野党は選挙戦で経済失政への批判を強める構えで、アベノミクスの評価をめぐって激しい戦いが予想される。
記者会見に先立ち、第190通常国会は1日午後に衆参両院本会議で閉会中審査手続きを行い、閉幕する。
首相は記者会見で、世界経済の「危機」回避のため、あらゆる政策をとることなどで合意した主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)の議論を踏まえ、増税を再延期する理由を説明する。32年度に基礎的財政収支(プライマリーバランス)を黒字化する目標の堅持や、課題となる社会保障の財源確保について見解を示す。
これに先立ち、公明党の山口那津男代表は官邸で首相と会談し、増税先送りの方針を受け入れる考えを伝える見通し。