政府は20日、東京電力福島第1原発事故で多大な被害を受けた福島の復興指針を改定し、閣議決定した。除染費用は東電が負担するとの原則を転換し「帰還困難区域」の除染に国費を投入。同区域に5年後をめどに避難指示の解除を目指す「特定復興拠点」を設け、除染費用として2017年度予算に約300億円を計上する。帰還困難区域で本格的な除染はされておらず、方針決定は初めて。関連法改正案を来年の通常国会に提出する。
安倍晋三首相は官邸で開かれた原子力災害対策本部会議で「一日も早い福島の復興、再生に向け、道筋を具体化していただきたい」と述べた。
改定指針は8月の与党提言を反映しているが、政府内での有識者を交えた検討会や国会での議論を経ていない。国民負担による東電救済との見方が多く、批判も予想される。特定復興拠点の除染費用は5年間で3000億円規模の見通しだが整備が遅れれば増額する可能性がある。