習近平氏訪問で極貧村が豊かに 恣意的な貧困対策に隣村は不満 (1/2ページ)

2017.3.13 06:14

中国共産党の習近平総書記のポスターの前で、笑顔の唐宗秀さん=2月6日、河北省阜平県(共同)
中国共産党の習近平総書記のポスターの前で、笑顔の唐宗秀さん=2月6日、河北省阜平県(共同)【拡大】

 極貧の村は国家指導者の一声で一変した-。2012年12月、中国共産党総書記に就任したばかりの習近平国家主席が訪れた河北省の村では今、場違いなほど立派な道路が整備され、古い住宅を建て直すつち音が響いていた。巨額を投じて進む官製の「脱貧困」の成果。ただ隣接する農村は貧しいままで、住民からは不満が漏れる。

 「暖かいでしょ」。河北省保定市阜平県の山村。唐宗秀さん(72)が真新しい自宅に招き入れてくれた。唐さん宅は習氏の視察先の一つ。取材に訪れた2月上旬は昼間でも氷点下だったが、暖房が完備され、二重窓が冷気を遮る。部屋には習氏のポスターや写真が飾られていた。「国が家を建ててくれて、暮らしは良くなった。習主席にまた会いたいけど難しいだろうね」とはにかむ。「信じれば黄色い土も金に変わる」。習氏は12年の視察で村民らにこう呼び掛けた。深刻な汚職や貧富の格差拡大で共産党が国民の支持を失いかけているとの焦りから、貧困対策に全力を注ぐ姿勢を示す狙いがあった。

 中国メディアによると、阜平県は視察翌年の13年にモデル地区に指定され、県の財政収入の7倍に当たる資金でインフラ整備が始まった。15年の経済成長率は12年と比べて約22%伸び、メディアはこぞって「脱貧困のお手本」と持ち上げた。今月5日に開幕、15日に会期末を迎える全国人民代表大会(全人代、国会に相当)では、党・政府が貧困対策の成果を強調している。

「こっちの生活は何も変わらない」隣村は不満

産経デジタルサービス

IGN JAPAN

世界最大級のビデオゲームメディア「IGN」の日本版がついに登場!もっとゲームを楽しめる情報をお届けします。

産経オンライン英会話

90%以上の受講生が継続。ISO認証取得で安心品質のマンツーマン英会話が毎日受講できて月5980円!《体験2回無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

ソナエ

「ソナエ 安心のお墓探し」では、厳選されたお墓情報を紹介! 相続、葬儀、介護などのニュースもお届けします。