結婚シーズンでもある春節(旧正月)前後になると、決まって話題にのぼるのが「天の価格の結納金」である。今年メディアが注目したのは、農村に多い「剰男」(30歳以上の未婚男性)の結婚貧乏の実態と、結納金や結婚の祝宴費用の額に、行政が介入し始めたことである。
結納金は高い。その額は「万紫千紅一片緑」(1万枚の5元札と1000枚の100元札、可能な限りの50元札)、「三斤三両」(1650グラムの100元札)が必要といわれてきたが、最近では「六斤六両」と2倍になった。3300グラムの現金とは、25万元(約415万円)ほどだという。
こうした風習は農村地区に多く見られ、結納金は年収の30倍から40倍ともいわれる。44歳の某農村男性は、結納金のために借りたローンが、昨年ようやく返済が終わったと語る。
ある調査によると、改革開放政策で、農民の収入は25倍に増えたが、結納金の額は100倍以上となったという。
男性には頭の痛い問題だが、払わなければ一生独身で終わってしまう。中国人の伝統的な考え方でいえば、結婚せず子供をつくらないのは最大の親不孝である。
男性の結婚難は、男女比のアンバランスが原因の一つだ。一人っ子政策のもと、女の子に比べ男の子が多く生まれるようになり、2020年には3000万人から4000万人の結婚適齢期の男性が結婚相手を見つけられないとされている。結婚は過剰競争、椅子取りゲームと化してきた。