規制改革会議、企業の負担軽減へ答申 行政手続き3年で2割削減

2017.5.24 05:48

規制改革推進会議で、大田弘子議長(左)から答申を受け取る安倍首相=23日午前、首相官邸
規制改革推進会議で、大田弘子議長(左)から答申を受け取る安倍首相=23日午前、首相官邸【拡大】

 政府の規制改革推進会議は23日、商業登記など企業の行政手続きを簡素化し、企業の作業時間を3年で2割減らすことを目指す答申をまとめ、安倍晋三首相に提出した。労働基準監督業務の一部民間委託を盛り込んだほか、政府や警察などに割り当てられている電波の周波数帯について、民間開放や官民共用に向け目標値の設定を検討するよう政府に求めた。

 政府はこれを基に規制改革実施計画を6月に閣議決定する。安倍首相は答申を受け「旧来の仕組みにとらわれず、規制や制度を柔軟に見直すことが強い経済をつくる。一刻も早く実施に移す決意だ」と強調した。

 行政手続きの簡素化は、煩雑な事務負担を減らして企業の生産性を高めるのが狙い。商業登記のほか社会保険や飲食業の許認可といった9分野を対象とし、手続きのオンライン化や申請書式の統一などを進める。

 労働基準監督は一部業務を社会保険労務士などに委託し、長時間労働の監督を強化して違法残業の撲滅につなげる。人手不足が支障となって労働基準監督署が毎年調査できる事業所の割合が全体の約3%にとどまっている現状を改善する。

 介護保険が適用されるサービスと保険外サービスを組み合わせる「混合介護」の拡大には、与党が「保険外の負担ができない人がサービスを受けにくくなる」として強く反発。答申では踏み込まず、在り方について検討を始め、2017年度内に結論を出す方針を示すにとどめた。

 このほか、訪日外国人に安心してタクシーに乗ってもらうため、出発前に目的地までの運賃を示す仕組みの検討を始め、18年度中に結論を出す方針を明記した。

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