日欧合意でメガFTA追い風 通商交渉“秋の陣”進展なら米TPP復帰も (2/4ページ)

 交渉を後押しするのが、日欧EPAの大枠合意だ。世界の国内総生産(GDP)の約3割を占める巨大経済圏の誕生により、「米国第一主義」を掲げるトランプ政権の下、メガFTAの恩恵を受けられない米国内では動揺が広がっている。

 日本だけでなく、北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉に巻き込まれたメキシコやカナダなど、TPP参加国の多くも米国から通商交渉で圧力を受ける立場だ。新生TPPの合意が“ダメ押し”となり米国内で政権批判が強まれば、米国をTPPに復帰させる道筋が描ける可能性もある。

 10月には日米経済対話の2回目の会合が開かれる見通しだ。トランプ政権が重視する日米FTAの交渉入りを求められる懸念もある中、秋までにメガFTA交渉が進むほど、米国への牽制(けんせい)効果は高まる。

 今月7日付で日本のTPP交渉の事務方トップに就任した梅本和義首席交渉官は、日欧EPAが「TPPの議論にも追い風だ。ぜひ、うまく活用して前に進めたい」と期待を語る。

“安上がり”したら格好悪いという雰囲気も