酒税、中小業者への軽減措置延長検討 平成31年度末まで 政府・与党 被災地の負担減も

 政府・与党は9日、中小・零細の酒造業者に対して、清酒などの酒税を軽減する特例措置を延長する方向で検討に入った。東日本大震災で被災した酒造業者には、減税率をさらに上乗せする特例も同様に延長する。

 酒税の特例措置は平成29年度末が期限だが、31年度末まで2年間延長する方針。年末の与党の30年度税制改正の議論を経て、正式に決定する。

 特例では、清酒や焼酎、ワインの前年度の年間製造量が1千キロリットル以下の中小業者に対して200キロリットルまで酒税を20%、製造量1千キロリットル超~1300キロリットル以下の業者には10%をそれぞれ軽減している。合成清酒や麦芽比率50%以下の発泡酒に対しては、年間製造量1千キロリットル以下は10%、1千キロリットル超~1300キロリットル以下は5%を減税している。被災した蔵元は、この減税率にさらに5%が上乗せされる。

 財務省などによると、特例制度の対象は約2800件で国内全体の酒造業者の95%以上を占める。そのうち3割以上が債務超過や赤字のため法人税を支払えない欠損企業だという。震災で被害を受けた半数近くは、震災前の業績まで回復していない。

 財務省は特例が廃止されると、酒造業界の衰退や被災地の業者の復旧などに悪影響が出ると判断した。人口減少や若者の酒離れで国内の酒類販売が減少する中、中小の酒造業者は跡継ぎ不足などで廃業が相次いでおり、酒造業界の支援を図る考え。