政府が消費税率を10%へ引き上げる2019年10月、日本経済の成長は低迷しているのではとの予想が市場から上がっている。20年7、8月に開催予定の東京五輪に向けたインフラ建設需要が鈍化する上、最大の輸出先である米国経済が失速するかもしれないからだという。
警告するのは第一生命経済研究所の永浜利広首席エコノミストだ。まず永浜氏は、1964年10月に開かれた前回の東京五輪の例を示し、五輪の1年前には成長がピークを迎える恐れがあると指摘する。
実質国内総生産(GDP)の前期比成長率(年率換算前)は五輪1年前の63年10~12月期に3.4%とピークに達した後、鈍化に転じ、64年7~9月期には1.5%まで下がった。
永浜氏は「1年前は五輪開催に備えた建設投資がピークを迎えるタイミングなのでは」と推測。次の東京五輪も同じなら、1年前の19年7~9月期がピークを迎え、増税する10~12月期以降、減速期に入る。
また、永浜氏は米国経済の減速も懸念する。米国は、需給差を示すGDPギャップがマイナスからプラスに転じると2、3年後に景気減速が始まるという。プラスは需要超を意味し、「景気過熱を防ぐための財政引き締めなどが始まるからだ」。
米セントルイス連銀によると、マイナスで推移してきた米GDPギャップは17年4~6月期に約0%まで浮上した。プラス圏に向かえば、19年10~12月期ごろ景気後退期に入る。米国向けが輸出の2割を占める日本経済は打撃を受けかねない。(山口暢彦)