日欧EPAとTPP、最大で各31億円影響 千葉県農産物試算

 千葉県は1日、欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)と米国を除く11カ国による新たな環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の発効で生じる県農産物への影響を発表した。日欧EPAによる影響は約16~31億円、TPP11による影響は約18~31億円。関税の撤廃や大幅な削減などによって安価な農産物などの輸入が増えることが懸念されるためで、県は農林水産業の競争力強化のための政策を平成30年度当初予算案に盛り込み、本県産品のブランド力強化を図る。

 昨年12月に国が公表した試算に基づき実施。一方、国の試算には入っていないが本県の生産額が原則として10億円の農林水産物を加えるなどして、TPP11は47品目、日欧EPAは45品目について分析した。

 その結果、TPP11、日欧EPAともに最も影響が大きかったのは畜産物で、TPP11は12億5千万円~24億7千万円、日欧EPAでは11億6千万円~22億8千万円。1キロ当たり最大482円の関税が10年で50円に引き下げられる安価な価格帯の豚肉や、38・5%の輸入関税が16年で9%に引き下げられる牛肉などの影響が大きかった。このほかには、木工用の合板や水産物にも影響があったが、野菜や果実への影響はほぼないとしている。

 県は30年度当初予算案でも肉用牛ブランド力向上対策事業に1400万円を計上するなどして、競争力強化を図り影響の緩和を狙う。