【地域資源を生かす】「原子力発祥の地」で人材育成 東海村、産学官で科学研究の中心地目指す (1/5ページ)

日本原子力発電東海総合研修センターで原子力設備で使われるポンプのメンテナンスについて話を聞く学生=2016年9月2日、茨城県東海村
日本原子力発電東海総合研修センターで原子力設備で使われるポンプのメンテナンスについて話を聞く学生=2016年9月2日、茨城県東海村【拡大】

  • 「原子力人材育成・確保協議会」に参加する東興機械工業で、マイクロメーターやノギスを使って設備のメンテナンスに必要な測定技術を体験する学生=2017年9月8日、茨城県東海村

 ■科学研究の中心地目指す

 「原子力発祥の地」として原子力関連企業が集積する茨城県東海村で、原子力技術の継承に欠かせない人材の育成に産学官が力を入れている。2011年の東京電力福島第1原発事故を受け原子力業界への就職に二の足を踏む若者が増え、作業現場では高齢化と人手不足が深刻化。低迷する採用の打開に向け企業説明会を開いたり、インターンシップ(就業体験)を実施したりして呼び込みに躍起だ。村も原子力技術を他の自治体にない地域資源として活用、「原子力サイエンスビレッジ」を目指す。

 若手少なく不均衡

 大学生への企業説明会が解禁された3月最初の土曜日、東京・秋葉原で開催された日本原子力産業協会主催の合同企業説明会に、東海村の原子力関連企業7社が集まった。

 参加を呼びかけたのは、東海村や周辺の関連企業、大学・高校などが連携して16年2月に設立された「原子力人材育成・確保協議会」(東海村)。文字通り、原子力に携わる若い人材を確保し次代の担い手を育成するのが狙いだ。

 説明会では大手電力や原発メーカーなどがそろう中、協議会のブースには多くの学生が立ち寄った。参加した原子力エンジニアリング(同)は採用担当の古川弘取締役らが熱心に魅力を訴えていた。

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