なぜセブンは“最強コンビニ”なのか 「お客のため」ではなく「お客の立場」で考える

    PRESIDENT Online

    人が「無理だ」という場所には可能性がある

    「これまでのやり方」を抜きに考えれば、突破口は必ず見つかります。少なくとも私は、「やっぱりこれはやめとこう」という判断をしたことがありません。

    セブン銀行をつくるとき、ある銀行の頭取さんがいらして、「鈴木さん、銀行ってそんな簡単にできるもんじゃない」と親切に忠告してくれました。私は「そんなに難しいことは考えていないんです。ありがとうございます」と言って帰っていただいた。専門家からすれば、「素人が何を言っているんだ」と思われたのでしょう。

    これまで、そんなことはたくさんありました。「無理だよ」と言ってくれる人が多いほど、その声が大きいほど、そこには多くの可能性があります。みんなが反対するということは、大抵成功するんですよ。

    誰もやっていないことだから、先駆者になれる。だから、やる価値があるんです。

    借り物の発想はつまらない

    何かを成すためには、すべて自分のアイデアでやらなければ駄目。借り物の発想では駄目です。

    「この人はこう言った」「あの人はこう書いている」と勉強して、それを人に聞かせても、同じようなことを言っている人はたくさんいる。当然、知っている人もたくさんいます。それは大抵、つまらないものなんです。何の説得力もない。相手を飽きさせるだけです。

    一方で、自分が発想したことというのは、こうしてみなさんに聞いていただけるものです。

    自分の発想が正しいかどうかなんて、考えても仕方ない。

    新しいものは自分の発想からしか生まれない

    世の中にあるものはすべて、最初は誰かの発想から出来ています。名著とされている本も、スタンダードになっているビジネス理論も、大きなシェアを占めるビジネスモデルも。

    それが後にどう評価されるかで、正しさのようなものが決まる。

    つまり、新しいものは自分の発想からしか生まれないんです。

    小学校低学年の頃、私はあがり症でした。学校で朗読をさせられると、緊張しちゃって。家では平気で読めたものが、いざ先生や同級生の前で読もうとすると、うまくいきませんでした。

    それで、あがり症を治さなければいけないと考えた。どうすれば治るのかとずっと考えて、そのためには自分の考え方を持つことが大事だと気が付きました。

    自分の考え方で、言えばいいんだと。別に論理的に導き出したわけではないけれども、なんとなく、自分の考えを発信するということの大切さを知ったわけです。


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