「SWIFT排除は“金融版核兵器”にはならない」ロシアへの制裁に欧州が本気とはいえない3つの理由

    ロシア制裁は「台湾問題」に飛び火する可能性も…

    日本人が何よりも懸念すべきなのは、今回のウクライナ危機がどのように日本に影響を与えるかだと思います。

    ウクライナ危機は台湾問題に飛び火するでしょうか。

    SWIFT遮断によって、西側経済から排除されることになれば、ロシアは必然的に中国との結びつきを強化することになります。また、中国は中国で、「一帯一路」など、アメリカに頼らない経済圏の構築に全力を傾けています。

    お互いに必要性に迫られて行動した結果、ロシアと中国は、結果的にその関係を深めています。

    ロシアからのエネルギーや食糧の輸入が増加することで、中国は、台湾侵攻後に受けるアメリカの経済制裁を、あまり恐れずに済むことになります。

    つまり、「ウクライナ危機」でロシアに経済制裁すればするほど、「台湾問題」に火をつけてしまう可能性があるのです。

    ウクライナ情勢は「対岸の火事」ではない

    そのため、日本は、「ウクライナ危機」においても、「対中国」を意識した対応を練っていく必要があると思います。

    しかし、冒頭で触れたように、日本は「対中国」で、アメリカから「不満」を買っている現実があります。

    ウクライナ情勢は、日本人にとって、決して「対岸の火事」ではないのです。それを肝に銘じて、対応していくべきだと思います。

    大手メディアの「情報」だけに頼ると、こうした構造が見えにくくなります。世界中の情報を、自分なりの視点で分析できるように、日頃から準備しておくことが、より一層重要になっていると、痛感しています。

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    立澤 賢一(たつざわ・けんいち)

    元HSBC証券社長、京都橘大学客員教授

    住友銀行、メリルリンチ、バンク・オブ・アメリカ、HSBC証券など、長年にわたって国際金融の最前線で活躍。ゴルフティーチングプロ、書道家、米国宝石協会(GIA)会員など、多彩な一面も持つ。現在、経営者・投資コンサルタントとして活動するほか、若手投資家の育成にも力を注いでいる。オンラインサロン『一流の流儀』

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    (元HSBC証券社長、京都橘大学客員教授 立澤 賢一)


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