国内最速のはやぶさのノーズは約15メートルで、それだけで先頭車両の半分以上を占める。このため、スピードを求めるほど、客室スペースが取りづらくなる。グランクラスはこの中途半端な広さを逆手にとり「極上の空間」に生まれ変わらせた。
定員はわずか18人。1列に2人席と1人席の計3席しかなく、これが6列配置される。現行の「はやて」のグリーン車の定員は1車両当たり51人。ノーズが車両の半分以上を占めるので、単純比較はできないが、グランクラスの1人当たりの空間はグリーン車をはるかに上回る。さらに、先頭車両には車両から車両へと移動する乗客がおらず、静かな空間を作り出す上でもうってつけだった。
グランクラスをつくるプロジェクトは、JR東の本社内で2008年初め、「スーパーグリーン車(仮称)」としてひそかに走り出した。「最上級のくつろぎと癒やしの空間を作り上げる」。担当になった車両技術センター新幹線車両グループリーダーの遠藤知幸さんの決意は固かった。その年の秋、川崎重工業と日立製作所、ドイツのシートメーカー、レカロがプロジェクトに参画し、共同でプロジェクトを進めることも決まった。