「寝返りもしないほど、寝心地がよかった」と、JR東新幹線車両グループの齋藤裕之さんは胸を張る。川重機器・工事営業部の鉄道車両用腰掛担当部長、徳満修一さんも「本当に疲れないシートだ」と自信たっぷりだ。東京-新青森(713.7キロ)を約3時間20分(来年3月からは約3時間10分)で結ぶはやぶさ。グランクラスは、みちのくの旅の質を大きく変える可能性を秘めている。
異分野の才能、妥協せぬプロ意識
≪TEAM≫
日産自動車の「GT-R」から東北楽天ゴールデンイーグルスのベンチまで、レカロの大島正敏さんは数え切れないほどのシートを設計してきた。シート一筋と思いきや、学生時代はまったく関係のない応用化学専攻だった。
大島さんが初めて就職したのは化学プラントメーカーだったが、不況でその会社が経営不振となり、トヨタ自動車の系列会社に再就職、シートの設計に携わるようになった。その非凡な才能にレカロが目を付け、約10年前にスカウトした。人間工学に基づき、データを駆使しながら理論的に語る姿に、JR東日本の遠藤知幸さんは「ドイツ企業だけあって、欧州の腰掛ける文化を熟知している」と評する。