発売にあたり、広告部にも大きな使命が課せられた。知名度抜群のヤクルトだが、「ファミリー向け」「子供の飲み物」という印象が強かった。そこでヤクルト400は「ジュースの代わりという認識から、高い機能を持った飲み物だということを訴求する」(広告部制作課の杉田宏之課長)ことが求められた。
そこでテレビCMには、闘病から復帰した俳優の渡辺謙さんを起用し、大人の飲み物であることとともにヤクルト400の持つ生命力を表現した。
CMではヤクルト400の魅力を伝えるメッセージにも心を砕いた。「乳酸菌 シロタ株が400億」「飲むプロバイオティクス」「カラダ本来の力」「腸も鍛えられるんです」-。
杉田課長は「例えば乳酸菌 シロタ株のことばかりアピールすれば商品から離れてしまう。それぞれの時代の市場環境や消費者のニーズに合わせて変えるように工夫した」と強調する。
発売当初の販売目標は1日150万本。これに対し、現在の販売本数は2倍以上の同300万本を超える。増田主事は「こんなにうまくいくとは思わなかった」と振り返る。水島主事は「特性をうまく伝えられるようにパンフレットなども工夫したが、結局はヤクルトレディが熱意を持って勧めてくれたことが成功につながった」と強調する。顧客からはヤクルトレディに、体調が改善されたという喜びの声が多数、寄せられたという。
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