ヤクルト400が発売され、販売が軌道に乗るまでには、研究、開発、広告制作、販売などさまざまな人の関与があった。職場は別々でも、ヤクルトの理念のもとに結集した社員のチームワークが、成功につながったといえそうだ。
厳しさ増す健康飲料市場
≪MARKET≫
民間調査会社、矢野経済研究所(東京)によると、2010年度の飲料(牛乳・乳飲料含む)の市場規模は、前年度比2.1%増の4兆8600億円と、3年ぶりに拡大した。ただ、猛暑の影響が大きかったとみられ、11年度は東日本大震災の影響などで再び縮小に転じると予測されている。景気の低迷による節約志向の高まりや市場の成熟化などで、飲料市場の先行きは厳しさを増している。
一方、ヤクルト類の今年4~8月の1日当たり販売本数は655万8000本で、このうち約48%に相当する312万9000本をヤクルト400が占めた。ヤクルト類全体の販売は、前年度比2.5%減と減っているがヤクルト400は2.2%増の312万9000本。特に、LTだけでみると前年度比12.0%増の189万5000本と大幅に拡大している。カロリーを抑えているLTが、健康志向の高まりで人気を集めていることが背景にあるとみられる。ヤクルト類全体の中で400が、400の中ではLTの存在感が増している格好だ。
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