フランスベッドの新シリーズ「グランマックス」は、高機能とインテリア性を兼ね備え、幅広い世代からのニーズに対応する【拡大】
しかし、背もたれの角度を単に78度まで上げるだけでは、利用者の腰への負担がかかる。佐藤さんは食事もとれる医療用ベッドのノウハウを応用することを思いついた。このアイデアが、新シリーズを「もう一段上の高機能ベッド」に押し上げることになる。リクライニングの折れ曲がるポイントを2段階にすることで、地面と背もたれの角度は78度を維持しつつ、背中から腰にかけてのラインが緩やかなカーブを描くような構造にした。
さらに、角度が2段階になる背もたれの構造に合わせ、マットレスも新開発。同部の竹内穏博さんはマットレス内の詰め物を変え、寝心地を向上させるなどの改良を施した。また、エゼックスシリーズよりもキャスターの直径を広げ、機動性を高めつつ、エゼックス以上の低床化を実現するなど、細かな利便性も向上させた。
一方、難航したのは、デザインの問題。高機能を手頃な価格帯で提供するため、基本デザインを絞りこむ必要があったからだ。デザインを安易に決めれば、商品力の低下は否めない。商品企画部の平松南都子さんら4人のデザイナーから出されたデザイン案は約30種類だったが、オーソドックス、高級感、シンプルモダン、多収納型の4デザインに絞るまでに半年間じっくり時間をかけた。