「グーテ・デ・ロワ」が誕生した2000年ごろは、ラスクを量産する既存の機械はなかった。そこで最新鋭の機械を導入するなど独自の生産ラインを確立したのだが、手腕を発揮したのが工業大学出身で機械に精通していた原田義人社長(58)だった。
「シャトー・デュ・ボヌール」と並んで建っている本社工場棟の「シャトー・デュ・エスポワール」(希望の館)では、ラスクの製造工程が見学できる。フランスパンに使う専用のオリジナルブレンド粉は星野物産(群馬県みどり市)との共同開発。発酵させたフランスパンの生地は全長30メートルのトンネル型オーブンに通され、30分かけて焼き上げられる。
1本のフランスパンからラスク50枚分がスライスされる。パンに塗る高級バターは、溶かした際に豊かな香りを漂わせる上澄みだけを使うこだわりようだ。グラニュー糖を振りかけたら、全長25メートルの窯で1時間に1万2000枚をカリカリに焼き上げる。