東京電力の定時株主総会が27日午前10時から、東京都内で始まった。総会には筆頭株主である東京都の猪瀬直樹副知事をはじめ、開始時点で3112人の株主が出席した。
総会の冒頭、勝俣恒久会長は「原発事故により多大な迷惑と心配をおかけしている」と陳謝。そのうえで「ゼロから再出発する覚悟で徹底した合理化や賠償、廃止措置、安定供給を達成し、社会の信頼を取り戻したい」と決意を語った。
総会は開始早々、議長として勝俣会長は不適切とする緊急動議が出されるなど、大荒れの様相。会社提案の議案の説明になかなか入れず、会場は株主らの怒声に包まれた。
総会は約1万2000人を収容できる代々木第1体育館で開催。昨年、会場となった都内のホテルに入りきれない株主から怒りの声が上がったことを踏まえ、広い場所に会場を移した。
会場周辺は、総会開始前から反原発を主張する市民団体がビラを配るなど騒然とした雰囲気に包まれた。ある株主は「電気料金の値上げは許せない」と東電への不満を訴えた。
原発事故に加え、家庭向け電気料金の値上げ申請も反発を呼び、株主の関心が高まっている。