乳がんの手術で乳房を失った女性を対象に、人工乳房をつくっている池山メディカルジャパン(名古屋市名東区)。最近は指や足、顔の一部も手がけるなど部位を広げてきた。いずれも医療現場からの“SOS”に応えた結果だ。「苦しんでいる人が、普通の生活を送れるようにしたい」という池山紀之社長は「病院の要望には絶対にNOとはいわない」という信念を貫く。
製作した乳房は3000人
同社が製作する人工乳房はシリコン製。専門技術者によるオーダーメードで、患者には乳房の喪失感を補うカウンセリングまで実施し、細かい配慮と時間を費やす。
製作過程ではまず、残された側の乳房の型をとり、左右対称になるよう製作する。柔らかさや色など細部にいたるまで“ホンモノそっくり”に精巧に仕上げる。
「温泉に入れる。ブラジャーができる…。“普通の生活”を送ってもらえるようにしたいのです」と池山社長。